終活の一環として「家族信託」についての話を聞くことが多くなりました。
「認知症になったら,自分で財産を処分できないから,家族信託しておいたら,子どもが代わりにできるんだってね。」
というようなお話です。
また,会員になっている行政書士の情報サイトからも「相続における信託活用の実務」というような研修ビデオが送られてきたので,やはりニーズが増えているんだと思います。
ただ,個人的な意見としては,「家族信託」まで利用しなければいけない,または利用が好ましい事案は非常にまれだと思っています。
理由は,信託は,信託契約の締結が必要で,信託契約を理解して実行することが必要なので,一般の方にはハードルが高いと思われるからです。
では,信託契約とはどのようなものなのでしょうか?
「神奈川県住宅支援協議会」というところが,「空き家にしないわが家の終活ノート」というものを作っておられて,ネット上で無料で確認することができます。
神奈川県居住支援協議会
http://www.machikyo.or.jp/kyojyushien/
終活ノート(pdf)のURL
http://www.machikyo.or.jp/kyojyushien/bukai/shien/akiya/note_202108.pdf
ノートの25ページに信託契約書の例が載っています。
どうでしょう。ちょっと大変そうだと思いませんか?
家族信託は,確かに終活における選択肢のひとつでしょうが,「契約内容を理解して契約を締結する」ことが,なかなか難しいのではないかと思っています。
とにもかくにも「終活」は,推定相続人との率直な話し合いがいちばんだと思っています。
現状を把握し,気になっていることも共有し,まずは,「話題」にしていただければと思います。