フリーランス新法

月曜日に東京第二弁護士会主催のフリーランス新法に関するシンポジウムにZoom参加しました。
シンポジウムに参加して、初めてわかったことも多かったので、紹介したいと思います。

1.正式名は、「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」
フリーランスという言葉は法律の中では使われておらず、
特定受託事業者という名前になっています。
特定→一人で働いている。個人でも法人でも。
受託→プログラム作成などの事業を事業者のために仕事を受けている。荷物の配送などの事業を事業者のために仕事を受けている。
事業者→事業をしている
ということだそうです。
法人でも個人でも実質「一人」ということがポイントです。

2.業務委託事業者と特定業務委託事業者
フリーランスに仕事を頼む事業者についても、二種類の定義があります。
業務委託事業者→フリーランスに仕事を頼む事業者はすべて入ります。
特定業務委託事業者→「一人でない」事業者のことです。

ちょっとややこしいので、図にまとめておきます。

3.フリーランスに頼むとき、何をしないといけない?
(1)業務委託をするときに内容を明示する。
これは、すべての業務委託者が守らないといけないものです。
法律では、次の4つを明示しないといけない、ということになっています。
①給付の内容
②報酬の額
③支払期日
④その他の事項
(2)報酬の支払期日は、履行があってから60日以内
(3)受領拒否や報酬減額などをしない。
(4)募集をするときにうその内容や誤解を生じさせるような内容を記載しない。
(5)妊娠、出産、育児、介護に配慮する。
(6)セクハラ、パワハラに適切に対応できるような体制を整える。
(7)継続的に業務をお願いしている場合は、契約をやめる30日前に予告をする。
(2)から(7)は特定業務委託事業者に課されるもので、(3)や、(5)については、「一定期間の取引がある」というような条件がつけられています。

今後、公正取引委員会や厚生労働省が主体となって、法律の施行前に、ガイドラインが公開されるようです。
シンポジウムに参加しただけでも、この場合どうなるんだろう・・・ということが多かったので、実際の運用はガイドラインを参考にしないといけない点も多いと思われます。

今回シンポジウムに参加して、心強く思ったのが、フリーランスのトラブルについて相談を受けている弁護士の方が立法にも関わっているということです。
フリーランスの方でトラブルを抱えている方、ぜひ、第二東京弁護士会のフリーランス110番を利用してください。全国から、無料で利用できるそうです。
https://freelance110.jp/