特定行政書士,合格しました。

10月17日に受験した特定行政書士試験,無事合格していました。
奈良県内で受験したのは一人,私のみ。
私のために受験会場も用意していただき,試験監督員も来ていただき・・・だったので,とりあえず合格してほっとしています。

特定行政書士については,情報も少ないので,「受験者」の立場にも立ちつつ,詳しく紹介させていただきますね。

1.特定行政書士とは?
行政書士の仕事もよくわからないのに,「特定」がついて,どういう違いがあるのか,ますますわからないですよね。
「特定」がつくことによって,「できることが増えます」。
行政不服申立手続の代理ができるんです。

2.不服申立?
実際にどのような不服申立ができるのか。
行政書士の仕事の関係で典型例として紹介されているのが,「建設業許可申請の不許可処分に対する不服申立」です。
許認可業務に携わった場合に,不許可になっても引き続き,代理人として申請者の不服申立をサポートできることになります。

3.特定行政書士試験の内容
関係する法律としては,次の5つです。中でも行政三法が重要です。
行政手続法
行政不服審査法
行政事件訴訟法
民事訴訟法
要件事実(民法)

令和3年度の特定行政士試験は,次のとおり
申込者数 681名
受験者数 575名
修了者数 390名
合格率 67.8%

4.特定行政試験の準備
どうやって試験準備をすればいいのか,受験前に私が一番知りたかった情報はこれなので,詳しく紹介しますね。
(1)法定研修前
令和3年の場合,VOD研修は8月2日から9月17日の約1か月間の視聴期間を設けて行われました。
VOD研修は,視聴して受講していけばいいだけなのですが,受講申込が4月からなので,申し込んでから法定研修までかなり時間があります。
この間は,弘文堂の「行政法」を読んでいました。

受験者の学習歴にもよりますが,私の場合は,民事畑でずっと仕事をしているので,どちらかといえば民事訴訟や要件事実はなじみがあります。
けれども,行政書士試験に合格したのは,はるか昔(大学生のころ!)。行政法も大改正がありすっかり変わっているので,こちらの本で行政法について一から学習しました。

(2)法定研修
中央研修所の研修サイトを利用して行われた超豪華講師陣による研修でした。
中でも,先ほど紹介した行政法の著者橋本先生が講義されていたのは,びっくりしました。
主な項目としては,次の5つです。
①行政手続法②行政不服審査制度③行政事件訴訟法④要件事実論⑤特定行政書士の倫理
法定研修用として,ビデオ講義の資料が送られてくる他,日本評論社発行の「行政書士のための行政法」と「行政書士のための要件事実の基礎」という本も送られてきます。
ですので,法定研修前の事前準備としてこの二冊を購入する必要はありません。

(3)法定研修後,試験まで
条文学習と法定研修テキストの復習を柱に学習しました。条文,テキストとも3回ほど読み返したと思います。
不合格したくなかったので(笑),税務経理協会というところから出ている「特定行政書士法定研修考査 要点解説と模擬問題」という本も購入しました。一問一答や模擬問題がありがたかったです。

行政書士事務所を開業してから1年経過しました。
外国人の在留関係のお仕事ができるようになる申請取次の研修を終え,
今回特定行政書士の研修と試験も無事終えることができました。
今は,「成年後見制度」のお手伝いをできる,コスモス成年後見サポートセンターの入会前研修を受講しています。
日々の業務を大切にしつつも,いろいろな研修を受け,自分自身をアップデートし,業務に活かしていきます。