当事務所では、遺言書の作成支援も行っています。遺言書の作成支援で、気を付けているのが、「遺言執行者の事務を考慮して遺言書を作成してもらう。」ということです。
では、そもそも遺言執行者の事務というのは、どのようなものがあるのでしょうか。
条文を見ていきましょう。
1. 民法 1007条2項
遺言執行者は、その任務を開始したときは、遅滞なく、遺言の内容を相続人に通知しなければならない。
→相続人に遺言の内容を知らせ、受任通知を出します。
2. 民法 1011条
遺言執行者は、遅滞なく、相続財産の目録を作成して、相続人に交付しなければならない。
→相続人に財産目録を交付します。
3.民法 1012条
遺言執行者は、遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する。
→遺言の内容を実行します。
4.民法 655条
委任の終了事由は、これを相手方に通知したとき、又は相手方がこれを知っていたときでなければ、これをもってその相手方に対抗することができない。
→相続人に終了通知を出します。
遺言執行者にも、誰が相続人か、そしてどのような財産があるのかわかりやすいように、当事務所では、推定相続人の一覧図を作成し、また財産目録も作成したうえで、遺言書を作成してもらっています。ご自分で遺言書を作成される際も、「遺言書の内容を実現するときに、遺言執行者ができるだけ円滑に手続きを進めることができるようにする。」という視点を大事にしてください。
なお、当事務所の方針として、
(1)遺言執行者は必ず指定する。
(2)遺留分を考慮し、できるだけ紛争にならない遺言書にする。
(2)遺言書にネガティブな内容は記載しない。
ようにしています。
家族の歴史、思いはいろいろあると思いますが、遺言書が、今後の円満な親族関係にプラスになるように、していただきたいと思っています。